• フォロー|
  • ログイン|
  • ブログを作る!(無料)

「八ヶ岳スタイル」の更新通知を受け取る場合はここをクリック

八ヶ岳スタイル

henpen.exblog.jp
ブログトップ

山の中に住んでます。
by 染物
プロフィールを見る
画像一覧
更新通知を受け取る
カレンダー
< May 2007 >
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
カテゴリ
全体
クラフト的仕事
手作り生活
染め
山の田舎暮らし
森の中
ナチュラルライフ
料理
発酵生活
日々おもうこと
peace
おばん
物々交換
 子離れ
これからのこと
健康
家メンテナンス
薪つくり
iPad
未分類
http://yatsugatakestyle.com
タグ
料理(30)
手作り(28)
田舎暮らし(25)
発酵食品(25)
ナチュラルライフ(22)
森の中(22)
日々思うこと(14)
薪つくり(12)
子離れ(8)
山菜(7)
仕事(7)
米麹(6)
桜(5)
醤油作り(5)
これからのこと(4)
柿酢(4)
木イチゴ(4)
ヤマビル(3)
柿渋染め(3)
甘酒(3)
その他のジャンル
  • 1 ネット・IT技術
  • 2 競馬・ギャンブル
  • 3 歴史
  • 4 ライブ・バンド
  • 5 科学
  • 6 経営・ビジネス
  • 7 教育・学校
  • 8 時事・ニュース
  • 9 法律・裁判
  • 10 哲学・思想
外部リンク
記事ランキング
  • 姫クルミ 保存しておいたク...

  • おばちゃん的薪割り 今日はいっぱい仕事したよ...

  • ファンヒーターの排気口の穴埋め 去年、FF式のファンヒー...

  • タラの芽 芽吹きといえばタラの芽で...

ブログジャンル
住まいとくらし
ハンドメイド
画像一覧
エキサイト
XML | ATOM

Powered by Excite Blog

個人情報保護
情報取得について
免責事項

<   2007年 05月 ( 18 )   > この月の画像一覧

  • 朴の木
    [ 2007-05 -31 20:43 ]
  • 鹿の骨
    [ 2007-05 -30 21:10 ]
  • エゴの木
    [ 2007-05 -29 23:00 ]
  • ニセアカシア リベンジ
    [ 2007-05 -27 20:40 ]
  • ニセアカシア
    [ 2007-05 -26 21:20 ]
  • アオハダ
    [ 2007-05 -24 21:40 ]
  • 平和です
    [ 2007-05 -22 21:11 ]
  • 唐松
    [ 2007-05 -18 22:16 ]
  • 森の生き物たち
    [ 2007-05 -17 07:52 ]
  • たまにはメールください
    [ 2007-05 -16 06:40 ]
  • ゆっくりと
    [ 2007-05 -14 22:16 ]
  • 田植え 藍染め 柿渋染め
    [ 2007-05 -13 21:21 ]
  • 染め物
    [ 2007-05 -11 21:30 ]
  • 本日も草を食べています
    [ 2007-05 -10 21:40 ]
  • 今日の仕事
    [ 2007-05 -08 21:50 ]
  • 山菜の夕食
    [ 2007-05 -07 21:37 ]
  • 私の仕事2
    [ 2007-05 -06 21:51 ]
  • 森の歌声
    [ 2007-05 -01 21:06 ]
▽ この 月の記事をすべて表示
12次へ >>>
2007年 05月 31日

朴の木

a0101500_20394754.jpg

本日は忙しかった。
雨が降ったり、晴れたりめまぐるしくて。
つきあって、染めたばかりの柿渋の糸や布をしまったりだしたり。
こんな天気の時は、染め物をしなければ良いのですが、朝は天気良かったので、やっちゃいました。
柿渋の布など乾かないまま部屋干したら、臭くて大変です。
確かに天気予報ではあまりよい天気ではないようでしたが。。。。。
最近の天気予報は、かなりあたるのでこういうときは困ります。

本日の花は朴の花です。
先日朴の木を紹介したとき、春最初に花が咲くと記しましたが、コブシと勘違いしていました。朴の花は今が盛りです。
コブシは、春の初めに白くて大きな花が木いっぱい咲きます。

朴の木はよくみかけますが、花はあまり見かけません。
小さな木には花がついていないようですし、1本の木にも花はたくさんつかないみたいです。花は大きいのですが、地味です。わびさびの世界の花です。
花に引き替え実は大きくて赤くてとても目立ちます。
この派手な実のせいでしょう、森には朴の木がたくさんあります。
a0101500_20404786.jpg

タグ:
  • 朴の木
  • 森の中
  • 朴の花
みんなの【朴の木】をまとめ読み
▲ by henpen | 2007-05-31 20:43 | 森の中
2007年 05月 30日

鹿の骨

a0101500_219294.jpg


散歩をしていたら、鹿の骨を見つけました。あごの部分です。
付け根の部分は獣がちょびっとずつ噛んでいたような後もあります。
この骨を鹿と決めつけるのは、去年の出来事があります。

去年の11月だったと思います。
家の周りがとても臭くなりました。
生臭い魚の腐ったようなにおいです。

薪の間で動物が死んでるのかと、探してみても見あたりませんでした。
いつも臭うわけじゃないのですが、どうも森の中からみたいなんです。
家の外の、私がうちの庭と思っているとこと森はファジーに連続しています
藍染めなんぞしていても、風向きによって激しく臭うときがありました。

絶対なんかが死んでる(人間だったらどうしよう)。
意を決してついに、我が家のガードドッグ・シロを共に臭いの方角に向かったのです。
家から10メートルも離れていないとこに、角の伸びたかわいい目をした鹿が横たわっていました。
上半身というのか、あるいは内蔵から上なのか、そこまではなにごともないようにあるのです。
下半身というか、下のほうはとけだしたようになくなっていました。
無数の虫が内蔵があったであろうと思われるようなとこを貪っていました。
下半身についている左後ろ足の骨のつまさきのほうに、なんと太い針金がからまっています。
針金は立木と立木につなげてはられていたようです。
そこに足を引っかけ身動きとれなくなってしまったのです。
針金の張られていた木は根こそぎ倒れています。
なんとか、この罠からのがれようとすべての力を出したのでしょう。
何日ももがき苦しみ、弱ってきたら、カラスや動物に生きたまま食べられながら死んでいったのでしょうか。

仲間の鹿たちもなすすべもなく、幾度か死にいく彼を見に来たでしょうか。

この針金の罠は何のために、しかけられたのか。
いのししでも獲るためなのか、はたまた鹿を獲るためだったのか。
こういう罠をかけるにも免許がいるそうです。
そのときは猟期でもないし、このあたりは禁猟区にもなってます。(とおもったのですが、違いました)
役場で僚友会にお願いして有害獣に罠をかけたりすることはあるそうです。
が、こんな森のなかにはかけないし、かけたとしても毎日見に来るそうです。

要するにこの罠は密猟のために仕掛けられたもののようです。
密猟でも仕掛けたのなら、責任もって早く処分するべきじゃあないですか。
こんなむごい殺し方をするなんて、ひどすぎる。
私はno meatじゃないから、フライドチキンもすきやきも鯨の刺身もとんかつも大好きです。
無駄な殺生はいけないけど、身勝手ですが、わたしたちにとって最小限の殺生は必要ですよね。
で、いつもひっかかるのが、牛はかわいそうじゃなくて、豚もかわいそうじゃなくて、、、
犬はかわいそう、鯨はかわいそう、いるかはかわいそう、ついでに人間も、これ言っちゃおしまいか。
ついでに私の場合、四十雀になんぞおこったらかわいそう、いとしいヤマドリだったらなおかわいそ  う。
わが家を壊すにっくきヤマゲラだったら、ざまあみろ、ぜんぜんかわいそうじゃあありません。
 
死んだ鹿を確認して、においのもとは突き止めました。
が、私はそのままその場を後にしたのです。

鹿が罠にかかって死んでいるというはなしを数人の人たちに話したら、みなさん役場になんとかしてもらえ、とおっしゃる。
わたしとしては、こんなこと役場に頼む筋合いのものでないように思っていました。
とりあえず、再度役場に電話してみた。
先日はかなりどうでもよさげ、面倒って感じの対応でした。
その時の対応と違って、かけた人がわかるようなニュアンスだったり・・。
先日の電話では、密猟らしいとのことだった、めんどうなのでいい加減対応したのでしょうか。
怒ったぞ、わかるなら、しかけた人にすぐとりにきてもらってください、ときびしくいった。
あんまり頭にきたので、県庁のその筋にもメールをだした。
その日、役場のかたが3人いらっして、鹿を埋葬してくださった。
埋葬しついでに、角をむんずとちぎろうとしたがとれずに、のこぎりで切って持って行かれた。
結局、工事かなにかでやってきた人が、罠をしかけてそのままにしていったのではないか、ということらしい。
が、どいつもこいつも都合の良いことしかいわないので本当かどうかはわからない。


罠は、ワイヤーにわっかをつくってそのなかに足がはいったら、しまってしまうという単純なれど、巧妙なプロのもののようだ。
死体は、先日みたときよりカラスなどが喰ったせいか、さらに少なくなっていた。
角のついた頭と毛皮と骨とわずかな肉のみになっていた。角から推定年齢2才くらいだということだ。
もうひとつわかったことは、ここらあたりが、休猟区とおもっていたのだが、それは上の道路部分まで、私たちの森は猟区なんだそうだ。
それにしても、狩猟の解禁前に行われた行為だから、違法にはちがいないが、犯人を捜すことは無理みたい。
こういう罠をしかけたときは、仕掛け人の名前、連絡先などもつけておかねばならないそうで、当然、今回の違法行為にはついていない。

ともあれ生きているときには、巡り会うことのなかった鹿ではあるが、こういう状態になってしまって何度か接することとなった鹿の鹿男くんのご冥福をお祈りします。
そして、役場のかたがたごくろうさまでした。

そおして本日このあたりを散歩していまして、おもいがけず、この骨を見つけました。
きっと鹿男くんのものではないかと憶測するのです。
タグ:
  • 鹿の骨
みんなの【鹿の骨】をまとめ読み
▲ by henpen | 2007-05-30 21:10 | 森の中
2007年 05月 29日

エゴの木

白くて小さい花その3
a0101500_22451991.jpg


エゴの花がどばっと咲き始めました。
小さめの花が遠慮なくつきたいだけついて咲いています。
花は下向きについています。
なので、
下から見るとそれなりにかわいいのですが、木をわざわざしたからのぞき込ん見ることはめったにありません。

いつものようにエゴの木さんの知ったこっちゃないのですが
どばっと下向き、この辺がたぶん美しくない理由だと思います。

密はおいしいのでしょうか、ぶんぶん蜂が蜜を求めて忙しそうです。
山道にはたくさんのエゴの木が花をつけています。
木は堅くてまっすぐなので暖簾を通す棒にしたり重宝します。
かたいので、長く放置しても虫が食わないので、薪として保存しても虫に食われず保ちがよいです。
花より材木、なにかとありがたい木です。
タグ:
  • エゴの木
みんなの【エゴの木】をまとめ読み
▲ by henpen | 2007-05-29 23:00 | 森の中
2007年 05月 27日

ニセアカシア リベンジ

a0101500_20332838.jpg


昨日は花がうまく撮れなかったので、本日もニセアカシアを撮影しました。
あらためて見と、川の周辺にたくさんあるみたいです。
日当たりをこのむのでしょうか、森の中にはいると、道沿いに少しあるだけでほとんど見あたりません。

余談
本名はハリエンジュというくらいで、エンジュによく似ています。
エンジュの花びらは煮出して染めるときれいな黄色が染まります。
これだけたくさん、エンジュ似の花びらがあって、ただで染まればもうけもの、
ケチなおばんは大喜び、
でも、染めてみたら、あまり良い結果は得られませんでした。
ケチなおばんはがっかり。

某道の駅では、この花にさんしょうの葉っぱが2枚くらいついて、天ぷらセットとして180円で売っていました。

周りでたくさん咲いているので、ちょっとビミョウ。
これ売っている人は、猿とはりあっていますね。
a0101500_20324789.jpg

タグ:
  • ニセアカシア
  • ハリエンジュ
みんなの【ニセアカシア】をまとめ読み
▲ by henpen | 2007-05-27 20:40 | 森の中
2007年 05月 26日

ニセアカシア

いまの季節、白くて小さな花が多い、アオハダのとき思いました。
今回めだつのは、ニセアカシヤです。
マメ科ですね、花は藤の花を白くしただけ。
しかし、白と紫では見た目がどえらい違います。やっぱり紫色の藤の花は、きれい、天ぷらにしたらどっちもおなじようになんてことない味です。

(山と渓谷社・日本の樹木)によりますと、明治初期頃渡来した外来種だそうです。
いつのまにか、日本全国の山でのさばっています。
この木は、ミツバチにとっては大切な木のようですが、特定外来種に指定されたそうで、ばったばったとなぎ倒されてしまうと思った知り合いの養蜂家は、蜜がとれなくなると、嘆いていました。
でもこの旺盛な木をほんとうに根絶しようなどという動きは、まわりではまったくみられません。
養蜂家は安堵していることでしょう。

その分、いつものようにたわわに真っ白い花をたくさんつけています。
川沿いの道では、木いっぱいに白い花が咲いていました。
好みに関係なく、たくさん花がついていれば、いちようきれいです。
ぶさいくな赤ん坊でも何となく小さければ、かわいい状態です。
撮影していこうと思ったのですが、家の近所の山道でもたくさん咲くところがあるので、そのまま車を走らせました。
a0101500_21162182.jpg

なぜか、いつものところにたくさんの花が咲いていません。ぼつぼつとまばらに白い花があります。
この花の天ぷらが最高という人がいるくらいで、グルメの猿も好物です、花やつぼみがつくとこの木めざして集まります。
そういえば、数日前からこのあたりに群れていました。
彼らにとられた後かもしれません、もう少し早く撮影すれば良かった。

さ、本日も私の全くの個人的な花と木の見た目の評価です。
可もなく不可もなく、しかし、繁殖力がすごいので、ちょっとマイナス評価。
いつもながらニセアカシヤさんの知ったこっちゃないわけで、ごめんなさい。
タグ:
  • ニセアカシア
  • ハリエンジュ
みんなの【ニセアカシア】をまとめ読み
▲ by henpen | 2007-05-26 21:20 | 森の中
2007年 05月 24日

アオハダ

春のはじめは、黄色い花が多く咲くように思います。
今の時期は、白くて小さい花が集まったものが多いように思います。
小さくて白い花の集まりは、とても清楚な印象があります。
5月のさわやかな季節にぴったりです。
画像はアオハダです。
花は清楚で良いのですが、木はなんとなく全体的な印象として、好みの木ではありませんが、そんなことアオハダさんは知ったこっちゃないですね。
ごめんなさい。
a0101500_21364618.jpg

タグ:
  • アオハダ
みんなの【アオハダ】をまとめ読み
▲ by henpen | 2007-05-24 21:40 | 森の中
2007年 05月 22日

平和です

 とっても良いお天気が続いています。
水の満たされた田んぼでは、稲の苗が風に小さく揺れています。
青い空と緑の山、とっても平和な風景です。
今どこかで悲惨な出来事がおきているなんて想像もできない光景です。

 昨日、アフガンの近況をテレビで見ました、
貧困の苦しさを和らげるため、小さな子どもに親自ら、ヘロインを吸わせる場面です。
 とても衝撃的でした。こんな国にいったい誰がどんな権利でしてしまったのでしょうか。
 隣のイラクでは、いまだに爆撃や殺戮が繰り返されています。

 切り取られたような平和がまわりでは続いています。
 でも、絶対あの悲惨な世界とこの動かない平和な世界は、確実につながっています。
a0101500_673620.jpg

 平穏な日々の中で惨状を見ている罪悪感、
 テレビの現実がいつかせまってくるのではないかという恐怖、
 織り上げようとする布の構想、
 ランボーの正義、
 ウルトラマンの正義、
 アメリカの正義、
 アフガニスタンの正義、
 イラクの正義、
 バルタン星人の正義、
 今晩のおかずはなににしようか、
 花ちゃんの怒りと悲しみ、ポールさんの怒りと悲しみ、ムシャリさんの怒りと悲し  み、
 クマに襲われてしまった人、射殺されてしまったクマ、キツツキに穴をあけられた 家、家に穴をあけたキツツキ。
 
 私のばあちゃんは腰が70度にまがっていました。
またの間にはふたつひょうたんみたいなものがぶらさがっていました。
ひとつは疣痔の巨大化したものです。
もうひとつは、卵巣とかはっきり知らないけどそういう生殖関係のものでした。
 海軍燃料廠(軍艦の給油所)のあった私の町にはたくさんの爆弾が落とされました。
 警戒警報が発令されると人々は逃げ場をもとめて走りました。学徒動員先からはしっていた叔父は、足の速い同級生に防空壕を先取りされしかたなく家にむかって逃げました。その直後、叔父が避難しようとした防空壕は爆破されてしまいました。

 戦争のさなかもばあちゃんはじいさんの子を孕み、乳飲み子を抱えて逃げまどいました。鉄砲も爆弾も何にも持っていないばあちゃんは逃げる意外、走る意外なんにもできない。
 たくさんの人がおんなじように走りました。
 焼夷弾の炎が服について火だるまになっている人がいても、
「あつい、あつい」とわめいても
とにかく逃げました。
 それは走っているばあちゃんにふりかかってくるかもしれない光景なのです。

 空爆の中、守り通した子どもはふたりとも、3才のときにそれぞれ栄養失調で死んでしまいました。
 この世に生をうけてたった3年で、たらふくごはんなんか食べたこともなく、いつも腹を減らして、ほとんど、空から爆弾が落ちてくる世界しか知らないで、

 身重で、あるいは産後の体で走り回ったばあちゃんは、むりがたたったのでしょうか、しばらくしてまたの間からふたつのひょうたんがぶらさがってしまいました。
 二人の子がなくなって、結局ばあちゃんにのこったものは、ふたつのひょうたんだけだったのかもしれません。
 たぶん、ひょうたんと関係あるんだとおもうんですけど、からだじゅうには赤くただれた皮膚病ができていました。
 栄養不足のせいで70度にまがった腰は伸びることはなくて、九の字のかたまりのようにごろごろ転がっていました。

 ばあちゃんの話は幸せだった子供時代の話と戦争の話だけでした。
それ以外、彼女はなんの知識も体験ももっていなかったのです。
 戦争のころの飢餓をうめるように、真っ黒いつまようじみたいにすり減った一本しか残っていない歯で、食べつづけました。
食パンの耳だって、給食の残りのかたくなったコッペパンだって、くろずんだバナナだって彼女にとっては、ごちそうでした。

 戦争をなかったことにしようとするように町は一掃され、ビルが建ち並び、大きな舗装道路ができ、街路樹が植えられ、駅前にはロータリーができました。
海軍燃料廠はコンビナート工場にかわり、戦後の復興を支えていきました。

 再生のできないばあちゃんは、ふたつのひょうたんを持てあまし、九の字のかたまりのままおいてきぼりをくらってしまいました。戦後20数年後、平和を満喫できる国で、人々が自由と民主主義と豊かさという夢にむかっていた時代に、ばあちゃんは65才でなくなりました。

 幼稚園の時に行った原爆記念館に展示されたコンクリートに刻みついた人影、きのこ雲の映像、その時間を示した時計、その瞬間が凝縮していました。
ばあちゃんの体験を聞いていた幼い頃は、頭上をとんでいく飛行機が原子爆弾を落としていくのではないか、自分もいつか影だけになってコンクリートにはりついてしまうんじゃあないかと、おびえていました。

 イラクの惨状を見ていると、ずうっと昔にきいたばあちゃんの話があたまをよぎります。
 こわれた家のかたすみで、九の字のかたまりのばあちゃんがうずくまっているような錯覚をふと覚えます。
 奇形になったばあちゃんが石のがれきの中にいる。
 つぎに爆弾が落ちてきたら、あんなからだでは逃げ切れないでしょ。
タグ:
  • 平和
  • peace
みんなの【平和】をまとめ読み
▲ by henpen | 2007-05-22 21:11 | peace
2007年 05月 18日

唐松

a0101500_2153551.jpg昨日は雨でした。
唐松が雨にあたってとってもきれいでした。
芽吹きも黄葉もきれいです。
唐松はまっすぐどこまでも伸びていきます。
きっと天まで伸びていくつもりじゃないかと思います。
下から上までずうっと目で追うと、空まで届きます。
唐松といっしょに天までいけそうですよ。
タグ:
  • 唐松
  • 森の木
みんなの【唐松】をまとめ読み
▲ by henpen | 2007-05-18 22:16 | 森の中
2007年 05月 17日

森の生き物たち

a0101500_7463254.jpgいつの間にか森は緑でいっぱいになりました。
春の初めの頃、白い花をぼつぼつ咲かせた朴の木も、大きな葉っぱを茂らせています。
大きいけどかわいらしい朴の葉っぱは大好きです。
この葉っぱにおにぎりを包んで森を一日かけて歩きます。
タラの芽もコシアブラの芽もいつのまにか葉っぱになりました。
来年の春、また少しだけ芽をいただきます。
木イチゴの花が少しずつ咲き始めました。黄金色の実を頂くことを楽しみにしています。
幼虫が三つ葉アケビの葉っぱをむさぼっています。まだまだ柔らかい葉っぱです。
木の板を取ったら、まむしが縮こまっていました。
トカゲが石の上をはい回っています。
森の奥では、まん丸の鹿のうんちがドッグフードをばらまいたみたいに散らばっています。
地べたをありんこがはいずります。
すべての森の生き物が、命を輝かせています。
私も、森の生き物の一員として、この季節に輝きたいと毎年思います。
タグ:
  • 朴の葉
  • 森
みんなの【朴の葉】をまとめ読み
▲ by henpen | 2007-05-17 07:52 | 森の中
2007年 05月 16日

たまにはメールください

a0101500_21144439.jpg

母のために生まれてきた。
2、3才の頃、息子が私に言いました。
なんてかわいいやつだろうと思いました。
今になってそのことを言うと、若気の至りですと、頭をかきます。

まあね、そんなものです。

でも、あのときの彼の言葉に嘘はないと思うのです。
本当にそのときの彼は私のために生まれてきたのだと思います。

当時私は、染織作家になりたいと思っていました。
山の中の廃屋のような一軒家で、来る日も来る日も機織りに明け暮れていました。
茅葺きでいろりがあってそんな家に住むことにあこがれていました。
屋根は茅の上にトタンが葺いてありましたが、思い通りの家でした。
昼間機織りをして夕方五右衛門風呂を沸かして入りました。夜はいろりにあたっていました。
今もそうですが、夫は町で仕事をしていまして、離れて暮らしていました。
毎日、とぎすまされたような生活で気持ちがピュアーになりすぎていたかもしれません。
そのままの生活が続いていたら、ちょっと危なかったような気もします。
a0101500_21163568.jpg

そんなときに息子が予期せず生まれました。
機織りをやめて息子の出産に備えました。
出産後、織りかけの着物だけは織ってしまいたいとまた機に向かいました。
はいはいをはじめて、息子は織機のとこまできて、やっとこさ織機の柱につかまって立ち上がります。が、すぐにうしろにどさっと倒れてしまいました。
何度も何度も倒れてしまいます。倒れても痛くないように座布団を起きました。
その着物が織りあがってからは、彼と一緒に遊びました。
本を読んで、
柿の落ち葉の中にふたりでうもれて、
どろんこになって、
電車さんごっこをして、
大きな段ボール箱にはいって。
彼のおかげで、小さい頃をもう一度やり直せたようでとても楽しかったです。
そのとき、
息子は実は幼かった頃の私で、息子が私なら、そこにいる私は母です。
私は幼かった頃の私と当時の母と同時に体験できました。
すべてが息子のおかげです。
一人、機織りを続ける私をみてまだ生まれていない息子が、このままじゃいけない、
と思って私の前に現れたのです。
母のために生まれてきたといったあのときの息子は、そのとおりだったのです。
でももう彼の役目は終わりました。だから彼はそのことを忘れてしまったのです。
彼はかれのために生きています。
彼の人生を思いっきり生きてほしいと思います。
私も私のために思いっきり生きます。
息子に教えられたことはたくさんあります。とっても感謝しています。
子育てをはじめて、
私は、着物ではなくもっと身近に使えるもの着るものをつくることに向かっていきました。
作家ではなく、作り手になることにしました。

当然ですが、息子は自分のために人生をエンジョイしてほしいとおもいます。
大学生活はたのしいかもしれませんが、たまにはメールください。少しは近況報告をしてください。
母のささやかなお願いです。
a0101500_21172519.jpg

タグ:
  • 子育て
  • 子離れ
みんなの【子育て】をまとめ読み
▲ by henpen | 2007-05-16 06:40 |  子離れ
12次へ >>>

ファン申請

※ メッセージを入力してください