2007年 06月 18日
姫クルミ |
保存しておいたクルミをおやつに食べました。
ケーキの中に入れるなど加工すればよいのでしょうが、不精者で。
私の山菜フィールドにおいてクルミの実には鬼と姫クルミがあります。
通称姫様と呼ばれる実は三角で表面はつるつる、
三角おむすびみたいで頭のてっぺんだけ鋭利にとがっています。
私はハート型のクルミと呼んでいます。
殻はかなり固い、ドアーに押し当てても割れなかった、もらったけど捨てたという知人もいます。
割りかたは、平らな石の上に頭を上にして置く。
金槌でえいやっと割る。
まふたつに割れます。
鬼と呼んでいる方は、表面は梅干しの種みたいにざらざらで、形状は丸めなので、安定性が悪い、割ってもぱかっと真二つに割れない、よって中身の実が取りにくい。味は一所懸命食べ比べたことがないので、いまいちわからない。
というわけで、当然姫様のほうが重宝されます。
石の上にも3年、長年続けていると平らだった石もクルミ型にへこんでくる。
縄文人もクルミは好物だったようで、何カ所かクルミ型にへこんだ石が、縄文遺跡のなかから発掘されることがあります。
クルミは覆っている核果を取ってしばらく陰干したのち食べる。
堅い殻には難儀するが殻さえとれればアク処理もしなくていい、熱も加えず生で食べられる。
しかもおいしい。
最近は採る人もなく道路っ端にごろごろ転がっています。
車にひかれて中身が出たクルミをカラスが食べているくらいしかみかけない。
もったいないなあ。
何で誰も拾わないんでしょうね。もったいない、ああもったいない。
堅い殻をおおっている核果は最初は緑色できれいだけど、日がたつにつれて茶色、そのうち真っ黒くなる。
どろどろのコールタール状です。
これはかなりのタンニンを含んでいます。染め材にするにはいいだろうが、中身を採る方に気がいっているので、染め材として使うことはたまにしかありません。
古来より、核果の取り方は地中に埋めておくということになっていました。
ある程度埋めたらどろどろも土に還り、堅い殻に覆われた私たちが見知っているクルミのできあがりです。
最初のうちは、私もこの方法でした。
しかし、土に埋めた全部のクルミを回収することはできないみたいで、そのうちクルミの芽が出てきて、今じゃあこんなに大きくなりました。家に近いので頭を切っています。ちょっと油断すると大木になってしまいます。
手前にすこしみえるのは、ハンノキです。
染め物用にやしゃの実を取ってきたのですが、やはり何かの拍子に落ちて大きくなったみたいです。
ここ数年は土に埋めることをやめてビニール袋の中にいれて核果がくさるのを待つことにした。
回収率100パーセント、しかもビニール袋にとってきてそのままおいておくだけでいい。能率が良くなったと喜んでいた。
どんぐりは一冬こすと渋みがぬけて食べられるようになる。
リスなど森の動物はそれを知っていてせっせと貯蔵しておく。
しかし、貯蔵したことを忘れたり、そのリスが獣に食べられいなくなったりすることもある。
ワンシーズン渋みを持たせることでドングリは、遠くに運ばれ子孫繁栄する仕組みになっているそうだ。
先日読んだ樹と森のものがたり
西口 親雄 / / つげ書房新社
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による。
てことはですよ、クルミの核果がついているのも、地中に埋めて取り除かれ子孫繁栄をもたらすということかもしれない、と思うに至った。
効率が悪いようで、長い目で見ればクルミへのやさしさ、子孫への優しさへとつながっていたのかも。
そういうことが、実は効率がいいのかもしれない。
ビニール袋へいれる私のやり方では、私一人だけの優しさへしかつながらない。
結局効率が悪いのかも。
今の時代は効率ばかりが重んじられるが、たまには効率の悪い方法をとることもあっていいのかもしれないとクルミの木を見ながらおもいます。
by henpen
| 2007-06-18 20:30
| 山の田舎暮らし