2007年 05月 30日
鹿の骨 |
散歩をしていたら、鹿の骨を見つけました。あごの部分です。
付け根の部分は獣がちょびっとずつ噛んでいたような後もあります。
この骨を鹿と決めつけるのは、去年の出来事があります。
去年の11月だったと思います。
家の周りがとても臭くなりました。
生臭い魚の腐ったようなにおいです。
薪の間で動物が死んでるのかと、探してみても見あたりませんでした。
いつも臭うわけじゃないのですが、どうも森の中からみたいなんです。
家の外の、私がうちの庭と思っているとこと森はファジーに連続しています
藍染めなんぞしていても、風向きによって激しく臭うときがありました。
絶対なんかが死んでる(人間だったらどうしよう)。
意を決してついに、我が家のガードドッグ・シロを共に臭いの方角に向かったのです。
家から10メートルも離れていないとこに、角の伸びたかわいい目をした鹿が横たわっていました。
上半身というのか、あるいは内蔵から上なのか、そこまではなにごともないようにあるのです。
下半身というか、下のほうはとけだしたようになくなっていました。
無数の虫が内蔵があったであろうと思われるようなとこを貪っていました。
下半身についている左後ろ足の骨のつまさきのほうに、なんと太い針金がからまっています。
針金は立木と立木につなげてはられていたようです。
そこに足を引っかけ身動きとれなくなってしまったのです。
針金の張られていた木は根こそぎ倒れています。
なんとか、この罠からのがれようとすべての力を出したのでしょう。
何日ももがき苦しみ、弱ってきたら、カラスや動物に生きたまま食べられながら死んでいったのでしょうか。
仲間の鹿たちもなすすべもなく、幾度か死にいく彼を見に来たでしょうか。
この針金の罠は何のために、しかけられたのか。
いのししでも獲るためなのか、はたまた鹿を獲るためだったのか。
こういう罠をかけるにも免許がいるそうです。
そのときは猟期でもないし、このあたりは禁猟区にもなってます。(とおもったのですが、違いました)
役場で僚友会にお願いして有害獣に罠をかけたりすることはあるそうです。
が、こんな森のなかにはかけないし、かけたとしても毎日見に来るそうです。
要するにこの罠は密猟のために仕掛けられたもののようです。
密猟でも仕掛けたのなら、責任もって早く処分するべきじゃあないですか。
こんなむごい殺し方をするなんて、ひどすぎる。
私はno meatじゃないから、フライドチキンもすきやきも鯨の刺身もとんかつも大好きです。
無駄な殺生はいけないけど、身勝手ですが、わたしたちにとって最小限の殺生は必要ですよね。
で、いつもひっかかるのが、牛はかわいそうじゃなくて、豚もかわいそうじゃなくて、、、
犬はかわいそう、鯨はかわいそう、いるかはかわいそう、ついでに人間も、これ言っちゃおしまいか。
ついでに私の場合、四十雀になんぞおこったらかわいそう、いとしいヤマドリだったらなおかわいそ う。
わが家を壊すにっくきヤマゲラだったら、ざまあみろ、ぜんぜんかわいそうじゃあありません。
死んだ鹿を確認して、においのもとは突き止めました。
が、私はそのままその場を後にしたのです。
鹿が罠にかかって死んでいるというはなしを数人の人たちに話したら、みなさん役場になんとかしてもらえ、とおっしゃる。
わたしとしては、こんなこと役場に頼む筋合いのものでないように思っていました。
とりあえず、再度役場に電話してみた。
先日はかなりどうでもよさげ、面倒って感じの対応でした。
その時の対応と違って、かけた人がわかるようなニュアンスだったり・・。
先日の電話では、密猟らしいとのことだった、めんどうなのでいい加減対応したのでしょうか。
怒ったぞ、わかるなら、しかけた人にすぐとりにきてもらってください、ときびしくいった。
あんまり頭にきたので、県庁のその筋にもメールをだした。
その日、役場のかたが3人いらっして、鹿を埋葬してくださった。
埋葬しついでに、角をむんずとちぎろうとしたがとれずに、のこぎりで切って持って行かれた。
結局、工事かなにかでやってきた人が、罠をしかけてそのままにしていったのではないか、ということらしい。
が、どいつもこいつも都合の良いことしかいわないので本当かどうかはわからない。
罠は、ワイヤーにわっかをつくってそのなかに足がはいったら、しまってしまうという単純なれど、巧妙なプロのもののようだ。
死体は、先日みたときよりカラスなどが喰ったせいか、さらに少なくなっていた。
角のついた頭と毛皮と骨とわずかな肉のみになっていた。角から推定年齢2才くらいだということだ。
もうひとつわかったことは、ここらあたりが、休猟区とおもっていたのだが、それは上の道路部分まで、私たちの森は猟区なんだそうだ。
それにしても、狩猟の解禁前に行われた行為だから、違法にはちがいないが、犯人を捜すことは無理みたい。
こういう罠をしかけたときは、仕掛け人の名前、連絡先などもつけておかねばならないそうで、当然、今回の違法行為にはついていない。
ともあれ生きているときには、巡り会うことのなかった鹿ではあるが、こういう状態になってしまって何度か接することとなった鹿の鹿男くんのご冥福をお祈りします。
そして、役場のかたがたごくろうさまでした。
そおして本日このあたりを散歩していまして、おもいがけず、この骨を見つけました。
きっと鹿男くんのものではないかと憶測するのです。
by henpen
| 2007-05-30 21:10
| 森の中