2007年 05月 13日
田植え 藍染め 柿渋染め |
ぴかぴかの天気が続いています。
今日はあっち明日はこっちの田んぼに水が満たされていきます。
水の満たされた田んぼのなかに、まだ雪を残した山ががゆらゆらそそり立っています。
機械化が進み手間があんまりかからなくなったせいか、はたまた農業を若い人たちがいやがるのでしょうか、年寄り夫婦だけで田植えをしているとこが多いみたいです。若い人(といっても50代くらい)がやってると思えば、請け負ってる人ってことが多い。
苗を買って、田植えも稲刈りも外注するとほとんどもうけはないらしい。それでも米を作れる田んぼがあれば、稲穂を実らす。
田植えも機械化されたとはいえ、機械で上手く植えられなかった苗の調整をしなければなりません。この植え替えしはほとんどばあちゃんの仕事のようです。ひとりきりで広い田んぼに腰をかがめて機械で植えられなかった部分の田植えをしていきます。
お日さまと山が映し出された田んぼの中に、ひとつづつ丁寧に苗を植えていきます。
おばあさんは若い頃から毎年、山とお日さまの田んぼに苗を植え続けてきたことでしょう。そのころは夫もお舅さんやお姑さんも、いっしょに田植えをしたことでしょう。もっとたくさんの人が手伝ってくれたのかもしれません。子ども達は畦を走り回っていたでしょうか。
毎年、少しずつ田植えの風景は変わっていったのでしょう。おばあさん、ひとりっきりのこの風景もいつの日か変わっていくのでしょう。
ぴかぴかの天気が続いているので、柿渋染めをします。柿渋は日に染め上げると濃い色になっていきます。日の当たり具合で染めむらができてしまいます。布はしわなくピンと張らないとむらになります。4メートルくらいの布をピンと張ることはうちではできないので、ちょっとくらいのむらは勘弁願ってます。
とりあえず渋につけた布を干します。布は縦に干します。上からの面積はほぼ布の厚み分ですからちょっとですよね。そのちょっとの隙をぬって鳥がうんちを落としていきました。
まあ、森の中だから鳥がうんちを落としていっても文句は言えないわけで。布は当然縦に干しているので、上からの面積はすくない、よくぞついたものだ。すごい確率と感心してる場合じゃない、結構くやしいのです。思い起こせば、私はうんちについている。神社仏閣にて過去2度も鳥のうんちに直撃されたことがあります。一度目は頭のてっぺん、2どめは肩の上、石とか鉄のかたまりでなくてよかったと安堵しました。今回は商売物の布、うんちなら私が身代わりになりたかった。
梅雨になるまでもう少し森のお日さまに渋染めの布を干します。
明日は森の中で藍染めもしましょう。
森のウリハダカエデの木の下に大きなポリバケツを埋めて藍を建てます。
藍カメの中の森の空とウリハダカエデを眺めていたら、ひらひらと小さな竹とんぼみたいなカエデの種がまいおりてきます。えんじ色みたいなピンク色みたいなきれいな色、真ん中がうすい黄色かな。
その中に輪(かせ)になった白い糸を静かに入れます。染めむらにならないように上や下をひっくりかえします。輪の中に竹の棒を通して、ポリバケツの両端にまたがせてその両端を大きく開いた両足でしっかり押さえます。もう一本竹の棒を輪に通して、糸の輪(かせ)のたるみがないようにひっぱります。それからぎりぎりと糸のかせをねじっていきます。竹の棒脱水機ですね。水分がとれたら両腕を輪(かせ)のなかに入れてぱっぱとひろげてかせに空気をいれます。黄緑色の糸が酸化して見る間に藍色になっていきます。藍色は夜の空の色から昼間の空の色までいろんな色が染まります。
by henpen
| 2007-05-13 21:21
| 山の田舎暮らし